試行錯誤


2022/1/9 備忘録

以降は自己の制作のための備忘録としてHPを更新していきます。個人的な興味を深掘りした内容になりますが、温かい目でお見守りください。

2021/6/29 すれすれの会

30代の頃「人生は真ん中よりも、すれすれが面白い」と言った友人と『すれすれの会』を作っていました。命名について「”ぎりぎり”はボーダーラインに触れて無いので、安全思考が見える。”すれすれ”は触れているのでアウトもあり得る。そこを楽しんでこそ『すれすれの会』」とのこと。…人生の窮地に立つと思い出す『すれすれの会』。

制作にもそういう思考が現れております。


2021/5/22 船出

雨の音を聞きながら、作品の制作を始めます。
左右反転させた下絵を本紙裏面にカーボン紙で写す仕事。
左下は下絵の線の周囲と、その線を描くためにできた痕跡を赤ボールペンで写したようす。
右下は下絵の下に敷いたカーボン紙で本紙の裏面に下絵が写ったようす。
これを、今から1ヶ月ほど、191×700㎝の画面が埋まるまで続けます。
大海に小舟で漕ぎ出すような気持ちになります。


2021/5/17 紙と絹

左は紙・右は絹
それぞれに勉強になります。
気持ち次第だと思うのですが、
紙は感覚的に進める工程が多いので、感性(色)が強くなります。
絹は手順を色々と考えねばならないので、理性(形)が強くなります。
無意識に動いてしまっている部分を気付かせてくれます。
思うように進めませんが
行ったり、来たり、正直に迷いたいと思います。


2021/5/13 見えるものと見えないもの

見えないと絵にならないとわかっていながら、見えない魅力に惹かれます。
結果、見にくく描くという選択肢もあるのかと…。
見える技術と見えない技術を同時に勉強していこうと思います。


2021/5/6 失敗とわかることも前進…と思うことにする。

絵絹で大作(縦194×横700㎝)にのぞみ撃沈した作品を紹介します。

絹は織幅に限界があるので、大作は難しいと言われていますが…色々と考えているうちに、分割して描き、後からパネルに張り込んで、パネルごと繋げる方法を思いつきました。木枠の時は調子良く…「これはいける!」と思っていたのですが…

パネルに貼るのが難しく…拡大してみると皺があるのがわかります。絹は木枠から剥がすと縮みます。しかも縦と横の伸縮が違う(縦の方がよく縮む)のです。裏金(絹の裏から金箔を貼ること)をしたので材料費がかさみ、不細工になっていくのを感じながら、引くに引けない状況に…どうにかしようと粘ったのですが…どうにもならず、諦めました。
誰にも知られず、寝ても覚めても一人、大騒ぎした3ヶ月。ここに残しておきます。

いつか絹絵で大作を描くと誓う。


2021/5/3 試行錯誤

絵絹の表現。

上は木枠に絹を貼り、裏から色を置いた状態。下は金屏風に絵を貼り、表から細部を仕上げた状態です。現代技術の粋を集めた極薄の絹に裏彩色。古典の技法に現代技術を加えれば、おもしろい作品ができるのではないかと試みましたが…。
向こうが透けて見える状態(木枠のままの状態)の方が良かった…。
見えすぎると、見えるものしか見えなくなるのが悩みです。

絹本は自分の表現になるまで引き続き試行錯誤が必要。
時間をかけてやっていこうと思います。


2021/5/2 今さらながら

同じような形の筆にも性格の違いがあることを知りました。
直線が気持ちよく引ける素直な筆や、
わずかな指先の震えも、毛先まで伝えてしまう繊細な筆。
それぞれの特徴が面白いです。
色々な描き味を、楽しんでいたのですが、
2年経つと、いつの間にか同じ筆ばかり使っています。
どちらかというと、素直でない方の…。


「あの画家はこの筆を使っている。この画家はこの筆ばかりを買っていく。」
と店主に聞いた筆の癖と作家の共通点を思い出し、これはまずいぞと思うのです。